はじめに
【リアルに9割の人が気づいていない「游ゴシック」の話】が話題になってますね。
リアルに9割の人が気づいていない「游ゴシック」の話 pic.twitter.com/kthloIdFbz
— あらた | PowerPoint+ (@powerpoint_plus) 2021年2月2日
なぜ、この現象がおきるか確認します。
フォントの仕様
フォントの切り替え時の振る舞いは、フォント内部の name テーブルの設定に依存します。
name テーブルの仕様は こちら。
Name ID 1 が "Font Family name" です。
Name ID 2 が "Font Subfamily name" です。
Windows では "Font Family name" が同じ場合に、同一フォントファミリーとして認識します。
游ゴシックの値
実際にフォントの中に設定されている値を見てみます。
フォント | Name ID 1 | Name ID 2 |
---|---|---|
YUGOTHL.TTC | Yu Gothic Light | Regular |
YUGOTHR.TTC | Yu Gothic | Regular |
YUGOTHM.TTC | Yu Gothic Medium | Regular |
YUGOTHB.TTC | Yu Gothic | Bold |
設定されている値から分かる通り、 YUGOTHR.TTC
(游ゴシックR)フォントと YUGOTHB.TTC
(游ゴシックB)フォントは、同一の Yu Gothic
(游ゴシック)ファミリーになっております。
そのため、Word などの Bold ボタンを利用することにより、 Regular
と Bold
のフォントを切り替えることができます。
一方、 YUGOTHL.TTC
(游ゴシックL)フォントは、ファミリー名にウェイトも含まれた形の Yu Gothic Light
という名前になっております。
そのため、Bold ボタン押下時には、 Yu Gothic Light
ファミリーの Bold
ウェイトが存在しないため、偽ボールド( Fake Bold )になる振る舞いをします。
YUGOTHM.TTC(游ゴシックM)
も同様に、切り替え先の Bold
は存在しません。
さいごに
DTP 向け書体を Windows で利用すると、気づかずに偽ボールドを使うことがあるので、ちょっと気をつける必要がありそうです。
とは言ってもなかなか気が付きにくいから難しいよなぁ。