omuronの備忘録

個人的な備忘録

游ゴシックの name テーブル確認

はじめに

【リアルに9割の人が気づいていない「游ゴシック」の話】が話題になってますね。

togetter.com

なぜ、この現象がおきるか確認します。

フォントの仕様

フォントの切り替え時の振る舞いは、フォント内部の name テーブルの設定に依存します。
name テーブルの仕様は こちら

Name ID 1 が "Font Family name" です。
Name ID 2 が "Font Subfamily name" です。

Windows では "Font Family name" が同じ場合に、同一フォントファミリーとして認識します。

游ゴシックの値

実際にフォントの中に設定されている値を見てみます。

フォント Name ID 1 Name ID 2
YUGOTHL.TTC Yu Gothic Light Regular
YUGOTHR.TTC Yu Gothic Regular
YUGOTHM.TTC Yu Gothic Medium Regular
YUGOTHB.TTC Yu Gothic Bold

設定されている値から分かる通り、 YUGOTHR.TTC(游ゴシックR)フォントと YUGOTHB.TTC(游ゴシックB)フォントは、同一の Yu Gothic(游ゴシック)ファミリーになっております。
そのため、Word などの Bold ボタンを利用することにより、 RegularBold のフォントを切り替えることができます。

一方、 YUGOTHL.TTC(游ゴシックL)フォントは、ファミリー名にウェイトも含まれた形の Yu Gothic Light という名前になっております。
そのため、Bold ボタン押下時には、 Yu Gothic Light ファミリーの Bold ウェイトが存在しないため、偽ボールド( Fake Bold )になる振る舞いをします。
YUGOTHM.TTC(游ゴシックM) も同様に、切り替え先の Bold は存在しません。

さいごに

DTP 向け書体を Windows で利用すると、気づかずに偽ボールドを使うことがあるので、ちょっと気をつける必要がありそうです。
とは言ってもなかなか気が付きにくいから難しいよなぁ。