DeNA × AI Talks #2 - エンジニアのための、AIツール導入・活用最前線
AI全投資といえばDeNA
セッション
Introduction
鈴木達也さん
- DeNAのAI取り組み紹介
- AIで生産性向上(3000人→1500人で運営可能に)
- AIによる既存事業の競争力強化
- AIで新規事業創出(10本以上のAIプロダクト開発中)

- AI Quotient(AQ)指標
- レベル1〜5の個人・組織レベル定義
- レベル5:AIを軸とした全体設計やビジネス変革が可能


DeNAの本気度が伝わる包括的なAI戦略。
指標を作ってどのレベルにいるかわかりやすく、また目標も立てやすいのはいい戦略だ。
PocochaのAI駆動開発推進体制
松田祐子さん
- ユーザー需要の複雑化・多様化
- 仮説検証サイクルの高速化が必要
- AIにより低コストで高品質な検証が可能に
- 導入決断の理由
- 競争力向上の必要性
- 経営陣のAIオールイン宣言
- 組織・プロセス変革の必要性
- 推進方針(3つの柱)
- 現状と成果
- 全エンジニアが日常的にAIツールを活用
- 基本的なツール導入フェーズは完了
- タスクレベルのアウトプット向上を実感
- 今後の方針
- フィードバックループの高速化
- PRDレビュー、FSD自動生成、テスト観点自動生成
テックチーム主導でありながらボトムアップも重視するバランスの良いアプローチが秀逸。
段階的導入と生産性・学習のバランスを取りながら、最終的にプロダクト開発プロセス全体の変革を目指す戦略的視点が素晴らしい。
AIオールインの現場感、EMとしてどう思考し、どう動くか
平子雄貴さん
- kencom概要
- 経営号令の現場翻訳
- 「AIオールイン」を具体的な現場言語に変換
- kencomの課題:重いコスト構造、運用でカバーしている業務
- ムーブメントの起こし方:ホットスポットの活用
- 内発的動機の焚きつけ: 個別の1on1で火をつける,フォロワーのセット作り
- 仲間づくり: ワーキンググループ設立,自由参加、工数考慮なしで推進
- 組織文化の重要性
- 挑戦・学習・共有の文化
- 心理的安全性の確保
- 振り返り文化、知識共有文化
- 組織サーベイ結果
- AI活用度:DeNA全体でトップクラス, 全社上位20%水準を大幅上回る
- 高速化の仕組み
- ツールトライアル申請:走りながら確認
- 本格導入時にはセキュリティ確認完了でゼロタイム展開
- Devinの活用
- 知識の共有値化: エンジニア固有知識の属人性解消,全員に恩恵のある最適化
- 全職種対応: Slack、WebUIからアクセス可能,カスタマーサポート、営業も活用
- ラボとしての機能
- 先進ツールの実験・POC高速実行,CoEチームによる各部門への展開
- まとめ
- AIオールインのビジョン翻訳が鍵
- 組織文化の醸成が成果の土台
- 局所最適から全体最適への展開


まずムーブメントっていうのは、基本的には二人から始まる(ホットスポット)のでその人を活用してムーブメントを創出すると。
バリューストリームの真のブロッカーは「待ち時間・割り込み・手戻り」といった外的負荷で、Devinを鍵として解決していく。
PRDから始める、生きたドキュメントと実装への最短ルート
黒木保さん
- kencomチームの状況
- 10年間稼働の複雑なサービス
- ドキュメントの部分的存在、質の不安定
- 情報の陳腐化、メンテナンス不足
- 実装者に聞く、コードを読む状況
- 暗黙知による課題
- 手戻りコストの増大
- 開発の属人化・ブラックボックス化
- AI活用の阻害
- 解決アプローチ
- ゴール設定:AIにも人間にも理解可能な実装設計図をチームの共有値として確立
- 要件→ドメインモデリング自動化プロセス
- 実装のポイント
- ステップバイステップの人間チェック必須
- 全工程をGit管理
- AIプロンプトと出力結果の一体管理
- 達成できたこと
- 実装前の共有値化,仕様認識齟齬の大幅減少,AI活用の加速(テストコード生成、DB設計等に活用)
- 課題・限界
- ドキュメントに落とし込めない暗黙知は依然存在, 長期的な管理可能性は未評価
- 今後の活用
- テストコード生成への直接適用,データベース設計、プロトバッファスキーマ生成,別ワークフローとしてチーム内で活用中